2015年御翼6月号その2

人に好かれるための十か条 ―― N・V・ピール

   

 私たちの使命とは、神と人とを愛することである。そして、人を愛することは、人に好かれるための条件でもある。心理学者ウィリアム・ジェームスはこう言っている。「人間性の最も強い傾向のひとつは自分が評価されたいという気持ちである」と。人に好かれたい、人に尊敬されたい、人の模範と仰がれたいと望むことは、私たちの根本的な気持ちなのだ。ある大学の心理学科で、人に好かれたり嫌われたりする性格の分析を行なったことがある。一〇〇種の特性が科学的に分析され、人に好かれるためには、四六種の都合のいい特性をもたねばならないということになった。 しかしキリスト教は、わずかただひとつの特性さえもつならば、人に好かれるようになることを教えている。この特性とは、人々に対し誠実で、ひたむきな関心をもち、人々を愛することである。この基本的な特性を養い育てるならば、その他の特性も自然に生じてくるとピール牧師は言う。
 『ゴスペル歌手としてのエルヴィス』という本が和訳されることとなった。著者はかつてエルヴィスのバックコーラスを担当していたゴスペルグループのメンバー、ジョー・モスケイオ氏であり、彼は牧師の子である。あらゆるゴスペルのレコードを聴き、研究していたエルヴィスは、ジョーと会う前から彼の名は知っていた。ジョーが初めて楽屋でエルヴィスと対面したとき、エルヴィスはこう言ってくれたという。「君の名はもちろん知っているよ! サインをくれないか? そしたら僕のもあげよう」と。相手に関心を持ち、誠実に愛することで、エルヴィスはキリストの愛を実現し、自分自身も人から愛されていたのだ。

人に好かれるための十か条 
 N・V・ピール『積極的考え方の力』(ダイヤモンド社)

  1. 人の名前を覚えなさい。この点に欠けることは、社交性に欠けることを意味するものである。人の名前は、その人にとっては非常に重要なものであることを忘れないでほしい。
  2. 少しも緊張を感じないような、気安い人間であるように心がけなさい。つまり、古靴や古帽子をかぶっているような人、飾り気のない人となりなさい。
  3. 物事に腹を立てないですむよう、何事もくつろいで気楽にやる習慣をつけなさい。
  4. 利己的であってはならない。何事にも知ったかぶりをするという印象を与えないように注意しなさい。そしてごく自然に、普通に、謙遜な態度をとりなさい。
  5. どんな事にも関心をもつような態度をとりなさい。そうすれば人々はあなたといっしょにいることを望み、あなたとつきあうことによってその人々が励まされるように感じるにちがいない。
  6. あなたの性質から粗雑さを取り除くよう努めなさい。たとえそれが無意識のものであっても。
  7. あなたのもっているあらゆる誤解を、キリスト教の原理に従って正直に解こうと努めなさい。あなたの心の中から苦情を取り除きなさい。
  8. 人を愛することを、すべての人に及ぼしうるまでに実行しなさい。ウィル・ロジャースの言った「私は一度も嫌いな人に会ったことがない」という言葉を忘れないで、そのような気特で努力しなさい。
  9. 知人の成功に対して祝意を述べる機会を逸してはならない。同じように、悲しみや失意の場合には、同情の心を現わす機会を逸してはならない。
  10. 人々が強い人間になり、生き甲斐のある人生を送るのにあなたがなんらかの役に立ちうるよう、深い精神的体験をもちなさい。人々に力を貸しなさい。そうすれば、人々もあなたに愛情を注ぐであろう。

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